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ピアレックスブログ

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シリカ系物質を用いた親水化技術に関する考察

塗膜表面を撥水ではなく親水にするほうが環境(雨筋、煤煙等)汚染に対して
効果があると塗料業界が認識し始めた1990年以降、表面を親水性にする方法を
塗料・樹脂各社は検討してきました。

しかし一般的には親水性=水溶性となって耐久性も低下するため、
唯一そのジレンマを免れるシリカあるいはシリケートオリゴマーの塗料への
添加が近年の主流になってきました。
シリカあるいはシリケートは珪酸化合物というセラミック原料の一種ですが、硬化が
進むとガラスになるため「ガラスの親水性を有機塗膜に導入できる」とされています。
つまり原理的にガラスの親水性を超える高度の親水性が得られません。

今日に至るまで塗料各社はいまだに
「どうやってシリカ/シリケート化合物を塗料に添加して有効な親水性を得るか」
というテーマに汲々としているのは各社の最新特許を調べてみても自明のことであります。

イラスト1

どこの塗料メーカーの説明でも上のような図が描かれていますが、
要するに汚染防止効果も最も重大な「親水性」という機能は
シリカ/シリケート系オリゴマーに頼っている原理は20年以上変わっていません。
シリカ/シリケートがセラミック原料であることや生成膜が非常に薄くて
nm(1cmの1千万分の一)レベルしかないことから商品名に「●●シリカ」だけでなく
「●●セラミック」とか「ナノ●●」とかが付けられています。

ところが、このシリカ/シリケート系オリゴマーで現出する親水性には致命的な欠点があります。

シリカ/シリケート系で親水性を担っている官能基はシラノール基Si-OHなのですが、
これは非常に曲者でふつうのアルコールのように安定ではなく徐々にシラノール同士が
再結合してしまいます。

Si-OH + HO-Si → Si-O-Si + H2O

この反応が起こると親水性を出すべきシラノール基がなくなってしまうのですから
親水性がなくなってしまいます。
実際、研磨直後のガラスの親水性がとても高いのに風化したガラスの親水性が低いのは
このシラノール再結合の結果です。

イラスト2

厄介なことにこのシラノール再結合現象は温度を多少上げても紫外線を浴びせても
加速されないため促進耐候性試験では見つけにくいです。

結論を申しますと

「シリカ/シリケート系化合物に頼った親水性は長続きしません。」

また、親水性は水分を呼び寄せますがそれに付随する弊害である
「藻類コケ類の繁茂を促進してしまう」という問題点も見逃せません。

また、更に塗装作業性に言及するならば、シリカ/シリケート系は表面にナノレベル
という極薄膜を形成させるためその条件設定が難しく、たとえばスプレー塗りと
刷毛塗りでは形成膜の厚さが変わってくるため汚染防止効果も大きく異なってくる
という難しさも伴います。

光触媒は親水性のレベルがシリカ/シリケート系の手法に比べて格段に高いことや
特に当社製品の施工難易度の低さ(換言すれば親水性他の性能の安定性)を置いておく
としてもその親水性の持続性と生物化学的な滅菌作用という点を挙げても超長期の美観と
耐久性の維持という重大な要求性能に答えうる唯一の技術であると断言できます。

2010年5月28日 9:30 PM
カテゴリー: Blog
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